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プロデューサー/ウォルター・サレス
この映画は、繊細な動き、もの言う沈黙、喜びの瞬間はもちろん、決して心にしまうことができない苦しさも描いている。この映画のテーマはすべての人に共通するものなんだ。自分の原点に立ち返ることや、新たな一歩を踏み出す必要性とかね。

監督/カリン・アイヌー
『マダム・サタン』の次には、明るく陽の当たる人物を主人公に、自分になじみがある場所で映画を撮りたかった。途中で構想を変更したり、試行錯誤できる2作目にしたかったんだ。映画製作のプロセスってまるで政治の世界みたいだと思うんだ。ブラジル人に限らず、世界中が型にはまった映画を作りたがる傾向にある気がするね。

実は、女性を語る映画にしたいと思っていた。ある場所から離れたくても離れることのできない、母であることに縛られている女性についてのね。私の家族や母を見てきて、そういったことをいつも考えていたんだ。この映画はそれと同時にアイデンティティについても語っている。これは私にとっても、とても重要なテーマなんだ。

役者たちがどんな動き方をして、どんな話し方をするのかを把握するように心がけた。そうすることで役になりきった、より自然体の演技を引き出したくてね。編集段階で、元の脚本の通りでは収集がつかないくらい、膨大な量のフィルムを撮影したよ。撮影された荒削りのフィルムから映画を生み出すことを今回の課題としたんだ。カサヴェテスのような方法を取り入れて自分のカラーを出したかったから。映画は産業かって?たしかにその通りだけど、ただ映画を作るだけでなく、結果以上にそのプロセスで得られる発見を大事にしたかったんだよ。

主演女優/エルミーラ・ゲーデス
ペルナンブコ州の田舎町カブロポーからオリンダへ10歳の時に引越してきて、以来15年間住んでいるの。ここで演劇をやっている友達の彼女が、ジョアォン・フェヘイラという舞台一筋の俳優の娘だった。それが縁でジョアォンと知り合ったの。彼はこの道45年のベテランで、新人とアマチュアの俳優を起用する舞台を毎年製作している。今でも続いているわ。あるとき、女の子が足りなくて私に声がかかり、友達もいたから軽い気持で入ってみたの。そのころの友達の中で、今でも役者を続けているのは私だけなのよ。
ロケ中は連日撮影で、ハードなスケジュールだった。でもすべてが初めての経験だったから、学んで吸収すべきことだらけ。映画とはどういうものなのか、たくさん学ぶことができたと思う。疲れることもあったけど、得られたものの方が大きい。今考えると自分でも信じられないくらい全力を出し尽くしたから、スタッフは私の体力と気力に驚いていたみたいね。

スエリーが追い出されるシーンでは、立て続けに10回ぐらいひっぱたかれたと思う。叩かれて痛いというよりも、胸が痛んだ。繊細な心情の揺れを表現するのがすごく難しかった。テイク1からテイク10まで、取り直すたびに涙が止まらず、コントロールできないくらいに感情が高ぶってしまって…。たぶん、テイク9のあとだったと思うんだけど、監督に「次で最後?」って聞いたら「そうだ」って言うのね。でもシーンが終わった後も泣き続けた。気持を立て直すために涙を全部出してしまいたかった。そしたら、彼がカメラを持って、ひとり打ちひしがれて泣きじゃくる私を撮りまくるの。もうほんとうに惨めだったわ。カメラは回り続けていて私にはどうすることもできなかったんだもの。でもあれこそが彼の狙いだったのね。今になってあのシーンを見直すと、なぜ彼がそうしたのかが理解できるわ。

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